「そうだね。」
「んーまあ、後からってことで!!」
校門前、みんなと分かれて歩く。
帰り道は伊澄くんとふたりで。
ふたりで学校から帰るの、初めてだ。
もう人に見られても噂されることない。
……噂になってももう平気。
そう思える。
「終わったね、中学。」
「そうだね。」
「最後みんなで撮った写真、後から送って。」
「うん、高橋くんの変顔のやつ。」
「あいつ最後までふざけてたし。」
「ほんと面白いよね~。」
「高校行ってもあんなんなんだろうな。」
「すみれから写真送られてくるよきっと」
「楽しみだね。」
「そうだね。」
ふたり歩く通学路。
空は雲ひとつない快晴の青空で。
桜の木は蕾が顔を覗かせている。