そういった伊澄くんは笑っていて。
でも、目元は涙がにじんでいて。
私を元気付けるために。
我慢して、笑ってくれていて。


「友達なんだからいつだって会えるだろ?」


伊澄くんに賛成するように苑田くんもそういって。
最後じゃないんだって。
笑って、言った。


その後、最後のHRをして。
最後の号令をかけて。
私たちは本当に、春丘中学校を卒業した。


終礼が終わった後もみんな教室に残っていて。
携帯で写真を撮ったりして駄弁っていた。


「まひろ写真撮ろう!」


「おう!」


すみれと高橋くんはアプリで写真を撮っていて。
ああでもないこうでもないって。
さっきまでのしんみりはどこかへいって。
またいつもみたく口論を繰り広げていた。


「私さ。」


「ん?」


「苑田は、真子の事好きなんだと思ってた。」


「……。」


「だから伊澄から奪うんじゃないかってどっかで思ってた。」