そう言ってどちらともなく通話終了ボタンを押した。
……おやすみって、耳元で。
電話越しの声、いつもより低く感じた。
それになんか近く感じた。
……くすぐったい、どきどきする。
かっこ、よかったな。
もう!
勉強勉強!!
頑張らないと。
頬を両手で叩いて。
気合いを入れ直して。
私は机に向かった。
そして入試当日。
私たちはそれぞれの学校でテストを受けた。
2日間にわたる入試はあっという間で。
目まぐるしく過ぎていった。
どんな問題が出たのか。
どれほど解けたのか、全然覚えていなくて。
ただ。
机の上に置かれたお守りが。
私をずっと元気づけてくれていた事だけは覚えている。
全部を出し切った後の空は青くて。
今までの空のどれよりも澄んでいた。
そして数週間後。
私達6人みんなのもとに。
合格の便りが舞い込んできた。