神様に、お願いした。


「ちゃんと名前言った?」


「忘れなかったよ。」


また離れた手を繋いで。
おみくじのある所まで移動する。


「絵馬にする?おみくじ?
 あっ、お守りもあるよ!!」


「お守りかあ。まだ買ってないかも。」


「じゃあさ、お互いに買いっこしない?私が彗くんに。彗くんが私に。ダメ……かな?」


「いいね。」


絵馬はやめにして。
形に残るお守りにした。


学業成就のお守り。
このお守りが、私の代わりに伊澄くんを支えてくれますように。
買ったお守りをぎゅっと握って願掛けする。


神様、お願いします。
伊澄くんに力を貸してあげて下さい。


「願掛けしたからきっとご利益あるよ。」


「まじで?俺も願掛けしとく。」


私と同じようにぎゅっとお守りを握った伊澄くんは。
しばらく何かをお願いした後。
そのお守りを私に渡してくれた。