お母さんの目はごまかせそうにもなく。
勝手に彼氏ってことで話が進んでいる。
まあ間違いじゃないし。
からかうわけじゃなさそうだし。
……でもやっぱり恥ずかしい。
「うん、そう。」
「……そっか。いいお付き合いしてるならいいの。受験終わったら一度お家遊びに来なさい。」
「えっ、ええ!?」
「なによ~、娘の彼氏に会うの夢だったのよ~。お父さんには内緒にしてあげるから。それとも、紹介できないようなロクでもない子なの?」
「そんなんじゃないよ!伊澄くんすごくいい子だもん!一緒な高校行くために勉強だってすごく頑張ってるし!!」
「ふう~ん、伊澄くんって言うんだ。」
「あっ……。」
もう、からまわってばっかりだあ。
耐えきれなくなってリビングを飛び出した。
お母さんのバカ~!
玄関でブーツをはいていると。
こっちへお母さんが向かってきた。
「いい子なのは真子みたら伝わってくるわよ。これお小遣い、一緒に絵馬でも書いて来たら?」
はい、といって手のひらに1000円札を乗せられた。
お礼を言おうと顔を上げると。