きっかけづくりになるかもって思っていた頼りもなくなって。
このままじゃ去年の二の舞になる。
最後の文化祭も、一緒に回れなくなる。
そんなの、嫌だ。
「いずみく……」
「っ……。」
放課後、終礼が終わってすぐ伊澄くんの方へ行って話かけた。
やっとこっちを向いてくれたけど。
すぐ目を背けて足早に教室を出ていってしまった。
……もう、ダメなのかな。
伊澄くんに目を背けられたのが結構心にきて。
その場から動けなくなってしまった。
恥ずかしいから。からかわれるのも嫌だから。
人前で話さないようにしてきた。
でも、伊澄くんとこのままなの嫌だから。
人前とか気にしないで話しかけた。
勇気振り絞って何度も、何度も。
でも。それでも。
伊澄くんは私の方へ振り向いてくれなかった。
視界が歪んで見える。
私、泣いてる。
涙、出てきた。
辛い。苦しい。
好きな人に避けられるって。
こんなに痛いんだ。
身体に力が入らなくなってしゃがみこむ。
顔を膝にうずめてないていると。