「まひろ、あのさ!」


「いず……」


話がしたい。
そう思ってから伊澄くんに話しかけようと。
学校で声をかけてみようとした。


でも。
声をかけた途端遮るように他の人に話かけたり。
私が近付くと逃げるように席を立ってしまって。


話しかけるどころか。
目を合わせる事も、なくて。
避けられている事実を突き付けられた。


メールの返事もない。
塾でもすれ違わない。
公園にもいない。


目を合わせる事も。
話しかける事も。
近づいたら避けられる。


本格的に嫌われてる。
どうしたらいいの。


「今年の文化祭だが、うちのクラスはどうする?」


「勉強忙しいしなしでよくない?」


「塾の課題とか多くてさ~。」


気付けばもう文化祭まで2週間を切っていて。
それでも私と伊澄くんの関係は変わらないままだった。


そして最後の文化祭は。
みんなの受験勉強の関係でテナントはなしになった。