目立つの苦手なんだもん。
それになにより。
伊澄くんと話、できてない。
メールも返信が来ないし。
教室でも一回も目が合わない。
塾でもすれ違わないし。
ためしに公園で待ってみたけど。
一向に来る気配がなかった。
避けられている。
その事に気付くのにそう時間はかからなかった。
そんな状態で受けた中間テストの点数が良いわけもなく。
今まででいちばん悪い点数を取ってしまった。
先生にも心配されたし。
お母さんにも怒られてしまった。
情けない。
今まで伊澄くんと一緒な高校行くためにって頑張ってきた勉強が。
伊澄くんと話ができなくなるだけでボロボロになるんだもん。
嫌われちゃったかな。
どうして、伊澄くん話してくれないんだろう。
私と苑田くんが付き合ってるって。
本当に思ってるのかな。
話がしたい。
違うって言いたい。
でも、こっちを向いてくれない。
目も合わせてくれないのにどうしたらいいんだろう。
伊澄くん、私達。
ずっとこのままとかにならないよね……。
「あの、伊澄く……」