みんなの視線が一気に私に集中した。
……えっと。
教室中がしーんとなって。
みんなの視線が逸らされることなく私の方を向いていた。


状況が理解できなくてドア前から動けなくなっていると。
先に学校についていた理香子たちが私のもとへ走ってきた。


「ちょっと、真子こっち。」


「えっと、なにこの騒ぎ。」


「なにってこっちのセリフだよ!」


理香子たちに引っ張られて自分の席に座らされ。
周りの目線を遮断するように理香子達が私を囲んだ。
それでも、周りの視線が痛いほど伝わってきた。


その視線に居心地が悪くて。
注目を浴びていることが。
嫌でも伝わってきた。


「あの噂、マジなの?」


「噂って?」


「真子と苑田が付き合ってるって話!!」


「え、ええ!?」


私と苑田くんが!?
付き合ってるって。なんで!!


「そんなの嘘に決まってるじゃん!!」


「だよね、うちらも変だなって思ってたんだけど。」