「い、彗くん。」
「ん?」
「彗くん食べたいものとか、ある?」
「んー、焼きそばとかかな。」
「人、多いし。手分けしよう!
買い終わったら神社の石段の所集合で。」
「えっ、でも、」
「いいから!」
強引に伊澄くんを焼きそばの方へ追いやって。
バレないように来た道を戻る。
知ってたらもっとお金持ってきたのに。
屋台とかで何かあるといいんだけど。
もう、なんで男子ってああなの。
誕生日って普通、言うよね。
お祝いしてもらうものだよね。
もう、……もう!
私もなんで聞かなかったんだろう。
どうして気付かなかったんだろう。
確かメールのIDに0730って書いてあった気がする。
そう言うので普通、気付くよね。
私のバカ!!
下駄をカラカラ言わせて。
緒の所がきりきり痛むけど気にせず早足で駆ける。
ふと、ひとつの屋台に目が行った。
ここ、綺麗だなって思ったところ。