提灯で照らされて、顔赤いのか分からないや。
でも、今は少しわかる。
伊澄くんも緊張していて。
だから、私より一歩前を歩くんだって。


私と一緒にいるのが嫌なわけじゃないんだって。
それが分かったからいい。
一緒にいて楽しいなら、それでいい。


「おが……真子ちゃん。」


「は。はい!」


不器用な名前呼びに心臓が跳ねる。
言いなおしてるの、かわいい。


「食べたい物とか、ある?」


「あ、えっと。りんごあめ。」


「じゃあ、りんごあめの列並ぼっか。」


一番近くのりんごあめの列に並ぶ。
どの列も人ばっかりで。
すごく時間かかっちゃいそう。


「あの……さ。」


「ん?」


「模試の結果、どうだった?」


「A判定だったよ。西校。」


「俺も、A判定。」