あの頃の私はまだ幼くて。
君を好きだと言う気持ちよりも。
恥ずかしさや、後ろめたさの方が大きかった。


周りの目ばかり気にして。
君の事を傷つけてしまった。


あの小さな世界は私のすべてで。
なるべく目立たないように、注目を浴びないように。
それだけを考えていた。


だから、たくさん君にひどいことをしてしまった。


それでも。
誰かを好きになるのは初めてで。
自分の中じゃ扱いきれないくらいの。
綺麗で大切で。
腫れものみたいな、恋心。


不器用ながらもこの気持ちに向き合って。
たくさんたくさん考えて。
君の事を考えて。


今でも色鮮やかに思い出す。
君と出会った日の事を。


分からないことだらけの、手探りみたいな恋。
それが私の精いっぱいで。
めいいっぱいの、好きだった。


私たちはまだ子供で。
子供ながらに、一人前の恋をした。
春の日差しのようにあたたかなこの恋心を。
壊れないようにそっと、君に届けたい。