ここ何年か、笑顔を作っている。
でもそれが作り笑いだなんてみんな気づきはしなかった。


でも、廉だけは違った。
すぐ見抜いた。


まぁ、1番最初に出逢った時は最悪な状態で出逢ったからか。


人が死のうとしてる所を見ることになるなんて、とんだ見せ物だ。
私だったら嫌だし怖い。



あの時の廉は格好良かったなぁ。
今も凄く格好いいけど、


単車が似合って特攻服を着ていて、私とは違う世界を見てる人なんだなぁって思った。



キラキラしてるあの姿は今にも目に焼き付いている。



もう夕方か。



今日は日曜だから、夕飯は私が作る。

狭いキッチン。
まな板を置けるような場所すらない。
ギリギリの所でまな板を置いて野菜を切る。


今日はカレーにしよう。


私は料理は得意な方じゃない。
寧ろ、苦手だ。


まぁまぁ美味しく作れるけど、面倒くさい。楽しくない。
洗い物増えるし。



カレーを食べて洗い物して片付けたら、大きい鍋にお湯をいっぱい沸かす。



何をするかって??



髪の毛を洗うんだよ。台所で。


昔からこのやり方。
…うちには、お風呂がない。



2日に1回、隣のお爺さんの家でお風呂に入らせて貰ってる。



ここは、市営住宅でお風呂つけたいなら、自分で付けてください。とのこと。



いやいやいや。
お金無いからここに住んでるんでしょ。
でも人間慣れれば平気なもんなんだよな。


こんな事、廉に言ったらやっぱり引かれる…かな。



今日はカレーに出来たけど、明日からまたどうしようか。



パン粉を焼いてそれを食べるかな。



昔は、片栗粉をお湯に溶かして砂糖入れて食べたもんだ。




世の国民の皆様。
衝撃的でしょう???



高校生にもなってお風呂が無くて
ご飯はパン粉を焼いて食べるとか。