そう、私達は
青春について考えている。
何故か急に青春をしなければならないという
衝動にかられたのだ。
『ねぇ、とりあえずさ自分の思う
青春を言っていこうよ』
そう、りぃぽんこと水原梨衣が
珍しく真面目な事を言う。
皆がその空気に飲み込まれ
きちんと考えようとしていると
トラブルメーカー渚が
『そんなことより、課題でしょ!』
と言って美子の鞄から
課題を取り出し
写し始めた。
しっかり者コンビの美子と彼方は
そんな渚を叱りに行って
真面目な雰囲気になるのは
私達にとって一瞬だった。
まあ、昔からそうなのだ。
私達にそういう空気は似合わない
だからすぐに賑やかになって
自分達の会話に戻っていった。
この中の誰かが
『“そんなことより” か……。』
そう呟いたことも
掻き消されるくらいには
賑やかだった。