そろりと、ベッドの上の人物を壁越しに覗きこむと。



「わっ。」



色素の薄い茶色の髪。
青白い肌。
透き通る茶色の瞳。
痩せた身体つき。


名前通り爽やかな、男の子。
文字通り美少年が座っていた。



「誰ですか?」



声と顔だけじゃ女の子と間違えそうになるくらい綺麗。
理央先輩に負けず劣らずじゃないこれ。


ていうか、ジャンルが違うか。
ジャンル別なら1位同士だよこれ。
こんな美人さん初めて見た……!



「あの……。」



「あっ、ごめんなさい!」



あまりの綺麗さにマジマジと見入ってしまった。
当の本人は若干引いている。



「私ここに勤務している笹原和子の娘の笹原詩羽と言います。
 母の代わりに預かり物を届けに来ました。」



「ああ、笹原さんの。
 どうぞそこへかけて下さい。」



「失礼します。」



言われるがままベッド脇の椅子に腰を下ろす。