「可憐、どうかしたの?」


「あ…いや。なんでもない。」


びっくりした…
ディスプレイには、ゆかりちゃんからの着信。


思わず体が震える。


「小笠原さん、もしかして…」


杉山くんは私の異常に気付いたのか、心配そうに私を見つめた。


「だ、大丈夫っ!私、ちょっとトイレ行ってくるね。」


「えっ!可憐〜?!」


由紀恵が呼び止める声を無視して私は廊下へ飛び出し


人気が少ない場所まで駆け出した。




なんで?
今ごろまた何の用なんだ?


……違う。


今だから、あるんだ……



私は未だ鳴り続ける携帯に耳を寄せた。