「なに!寝たふり?!悪趣味!」

「悪趣味…?」


あ、やばい。


小森くんは目を細めて私を見た。

「悪趣味とは、ずいぶんですね。」


「いや…その…ね?」


「そんな可愛い顔で見てきてもダメです。」


小森くんは少し態勢を持ち上げるなり、私の頭の後ろに手を付いた。


そしてゆっくり私へと近づく顔。

「ちょっ…いやっ…!」


突然耳を甘噛みされる。
私、耳弱いんだってば〜!


噛まれる度に声が出て恥ずかしい。

でも小森くんは舐めては噛み、
舐めては噛み、を繰り返す。


も…おかしくなりそうだよ…



「…そろそろ支度しましょうか。」


「…へっ?」


「学校、遅刻しちゃマズいだろ?」


…あ、そっか。


涙目になっていた私の瞳を覗き込み、小森くんは優しく笑いかけた。