「だけど………
今は、あなたを失うのが一番怖い……」
指先が震えだしたのがわかった。
小森くんが触れる私の髪から
伝わったから。
まるでスポットライトのように
私たち2人を、月が照らす。
「小森くん……っ!」
私の瞳からまた涙が溢れ出す。
だって、
小森くんの綺麗な瞳から
流れ落ちる雫。
ずっと泣きたかったの?
我慢してたの?
震える肩を思わず抱き締めた。
同じだね。
私たち、同じだよ。
「怖いものなんて…恐れるものなんて……俺には…無かったのに…」
髪に触れていた指が、
いつしか私の背中に回されていた。