近づいてくるシルエットは
いつの間にか、私の前に立ち
ゆっくりとしゃがみ込んだ。


「…熱は?」


「へっ…?」


「熱、あったんだろ?」


「あ…もう、大丈夫…」


「そう。良かった…」


そう言って、目を細めて
私の頬に触れた。


やばい…目の奥が熱い。
泣きそうだ。


私はへの字に下がりそうな口を、ギュッと強く結んだ。