確かに。 今は絶対に,帰れない。 「襲わないなら,いる。」 「うん。爽太も…なんかわけあるんだよ,きっと。」 私をベッドに寝かしつけながら 杉山くんが呟いた。 「わけ…?」 「アイツなりの…ね。」 目を閉じると 小森くんの「ごめんな」が 蘇る。 小森くんなりの,理由。 今は考えても仕方ない。 ボロボロの体と心が治るまで 一先ず眠るとしよう。 少しキツメの香水が香る ベッドの中で。