ドアの開く音がする。 そして…… 私の頬に,そっと指が触れた。 不思議。 夢なのに,ちゃんと感覚がある。 その指先は,するりと下に降りて唇をなぞった。 「んっ……」 くすぐったくて,思わず声が出る。 「可憐…… ごめんな……」 小森くんの,声だ。 私が好きな,少し低めの声…… どうして謝るの? 次の瞬間。 唇に柔らかい感触を覚えた。 なんだろ……キス……?