「おいっ!大丈夫かよ!!」 ―グイッ…! 思い切り肩を掴まれて 私はしゃがんでいたはずの体を 引き上げられていた。 「たまたま近く通ったら…びっくりしたよ。」 誰…? 「いったい…な…にが…あったんだよ。」 何?雨音でよく聞こえない。 「…い!おい!小笠原っ!」 小笠原。 そう呼ばれた声のほうに顔を向けると 「…杉…山くん?」 眉間に皺を寄せて 私を悲しそうに見つめる杉山くんがいた。