―雨、激しくなってきた。


気付いた時には、もう、どしゃぶりで


髪の毛も、制服もびしゃびしゃ。

でも、そんなの気にしてられなかった。


気にしてる暇なんてなかった。


心は相当ズタズタで…
頬を伝うのは涙なのか、雨なのかそれさえもわからなかった。


―…ねぇ、あの子びしょ濡れじゃない?


―もしかして振られたとか?


横を通り過ぎるカップルの会話が耳に入る。


振られたならまだマシだよ。


そんなことが頭に浮かんで
消えた。