「私も…小森くんが好き…」


「えっ?」


「私も…好きなのっ…」


怖くて顔を上げられなかった。
自分じゃないみたいな震え声に
体が言うことをきかない。


今にも倒れそうだ。


「…無理だよ…」


しばらくの沈黙のあと,
ゆかりちゃんが呟いた。


「無理…ってなにが?」


「だって,小森さんの両親,あなたの父親の族仲間に殺されたようなもんなんだよ?」




―なに…それ…