「なーるほどね。爽太が強くなった理由にはそんなことがあったわけだ。」


「うん…だから…ごめんなさい。」


帰り道。
やっと素直になれた自分の気持ちをちゃんと伝えたくて,
私は杉山くんを引き止めた。


今,私達はファーストフード店の一番奥の席にいる。


「爽太に本気なんだ?」


「……うんっ…」


杉山くんは,「そこまで言われちゃあねー。」と苦笑した。


ごめんね。
想ってもらえたのは,すごく嬉しかった。


ほんとに嬉しかったんだ。


だけど,私はやっぱり小森くんが好きなんだ。