「可憐さん…?」


小森くんの声でハッと目が覚めた。


「あっ…ごめん!」


私は急いで体を起こす。


けど…

小森くんは逆に私を抱き締めた。

「ちょっ…小森くん!?」


―離して!


そう言いたいのに,言葉が喉に詰まって出てこない。


それに小森くんは何も言わない。

「小森…くん?」


心配になって,今度は少し優しく問い掛けた。


すると小森くんはゆっくりと顔を上げ,私を見た。