玄関の扉が開いたと同時に『このヤロー、いい加減にしろや』『殺すなら殺せぇ~』と母の髪を掴み、引きずる様にして中に入ってきた。私は『またか…』と思いながら布団の中に潜り早く終わって欲しいと願った。最初に二人の喧嘩を見た時は心臓の鼓動さえ速くなるほど怖く…不安で…『やめてぇ…喧嘩しないでぇ…』と泣き続けその場を離れる事が出来なかったが、今ではガラスの割れる音がしても…母が叩かれ倒れ込む姿を見ても何も感じなくなってしまった。