私が2歳の頃に父の浮気が原因で離婚し、独りで家を出て行った。その頃はまだ母子家庭で水商売と言うのは周囲からは余りいい目で見られる事がなく『あの家の子とは遊んじゃダメよ!』『あの家は母子家庭だから』と、あからさまな態度をとる人もいれば“火の無い所に煙を立たす!”と嘘八百を並びあげ陰口を振りまいたりする人もいた。だから例え悪い事など何一つしてなくても陰口をたたかれるのは日常茶飯の事だった。だが母は静かで大人しいなどと言う性格ではなく、どちらかと言えば気性の激しいタイプだったので、誰が何を言ってようが周囲にどう観られていようがまったく気にする事はなかったし、自分を恥じる事も変える事もしなかった。…そして母親と私にとっては