お昼休みが終わり、掃除場所へ向かった

ちょっと早めに行って誰も居ない空き教室でただ一人うずくまって泣いていた。



______ガラガラ

教室のドアが開き、誰かが入ってきた。

こんな泣き顔見られたくないな…どうしよう…。


「美緒??どうした?」


聞きなれた優しい声。

顔を上げると一人の男子が心配そうに見下ろしていた。


「えっ泣いてたの?…てか、その手何!?」


今はまだ蒸し暑く、制服は半そでだった。

ヤバい…リスカの傷…丸見えじゃん。

恥ずかしい…嫌われたくない…。


「や、やだっ…見ないで…。」

「そんなに辛いわけ…?ちょっと手、貸して」


私が拒否すると、その人はそっと私の手を握ってくれた。

温かい…。


「自分をもっと大事にしねーと駄目だぞ…。」


その一言で私は救われたような気がした。

真っ暗で光のない私の世界に光が差した。


「あ、ありがとう…。」

「うん?俺、何もしてねーけど」


彼の笑顔はまぶしかった。










同じクラスの学級委員長。

身長は私よりちょっと低くてバド部に入ってる。

ちょっと天然だけど優しい…


寺山海翔


そんな彼にいつしか心を惹かれていた。