「菊次郎はんは罪なお人どすなぁ。
堪忍しておくれやす。」




・・・・・・あれ?




「ウチはこの身を金に替えられ、
各地を転々としながら、

最終的にここ島原へ売られた女。

“何でウチはこの世に生まれてきてしもたんやろ”と思ったこともあります。

せやけど、
ここに来てくれはるお客さんは皆、
温かくて人情味溢れるお人ばかり。

そんな人達の中から、
“誰を好いておる”
なんて酷な問いどす。

ウチに会いに来てくれはる男はん皆、
蝶野は心より好いております。」