にやついてしまう顔を必死に我慢し、
僕はお蝶ちゃんの顔を見つめ続ける。



「お蝶ちゃん、
今宵は本音を僕に言って欲しい。

好いている男はいるか?」





「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」




うふふふふ。

さぁ恥じらわず、
僕の名前を言って良いんだよ。






「・・・ウチは芸妓どす。

ウチに会いに来てくれはる男はんは、
皆好いております。」



「・・そんな建前はいい!

今宵だけは蝶野太夫ではなく、
1人の女子になって良いんだよ。」




「・・・・・・・・・。」




さぁ、今度こそ!!