京の街において光の存在である新撰組にも、
影となるお役目がある。
“監察方”
不逞浪士の動向を探り、
時には町人、時には浮浪者に成りすまし、
徹底的に情報を探る。
そして、この監察方の中にも更に、
光と影がある。
「岩木、誰にも知られていないな?」
「勿論でございます。
山崎さんとの情報交換も、
毎度異なる町人を無作為に3人選び、
それらを使ってきました。」
「お前の存在を知っているのは隊内でごく僅かな人間だけだ。
もちろん伊東達もお前の事は知らない。
奴らは、
“新撰組の監察方には
山崎 烝がいるから注意しろ”
とだけ思っていることだろう。」