「土方先生。 岩木 正、参上仕りました。」 真っ暗だった襖の向こうに提灯の火が灯る。 夜の闇に溶け込む私にとっては無縁の光だ。 「入れ。」 「はっ。」 横になられていると思っていた土方先生は、 布団も敷かれていない真っ暗な部屋で、 一人考え事をされていたようだった。