「実戦ではお前の方が強い。

木刀での仕合いなど、
何の参考にもならぬからな。」


「珍しいですね!
一徹さんからお褒めの言葉が出るなんて!」


「今だから言うが、
拙者は腹を立てておったのだぞ。」


「えっ・・何でですか?」


「拙者が怪我せぬよう、
お前は“突き”を使わなかっただろう。

お前が“突き”を使わなかったから拙者は勝っていただけで、

真剣での斬り合いとなれば、
あれは誰にも避けられぬ。」



「嫌だなぁ。謙遜しちゃって。

それに、当たり所が悪ければ木刀といえども大変なことになってしまうから、

仲間に“突き”なんて出来ないですよ。」