「そこで伊東甲子太郎が作った新しい組織が、御陵衛士だ。」



「なるほど・・。
そいつらが坂本龍馬を殺したんだな?」


「僕達が考える2つ目の説だね。」


「でもちょっと待って。

動機はなんなの?

だって幕府を倒すっていう考えでは坂本龍馬と同じじゃん。

さっきの見廻組説と違って殺す理由が無いぞ。」



「・・・・・・動機は正直分からない。
色々考えたけど、決め手がないんだ。」


「は!?
じゃあ何でお前らは御陵衛士が犯人だと思ったんだよ。」


「一説によると、

坂本龍馬が殺された現場に、新撰組隊士の持ち物と思われる物が落ちていたんだ。

それの詳細は分からないけど・・。

この事を素直に受け止めると、犯人は新撰組だって事になる。

だけど僕達は、伊東がそう考えるように仕向けたんじゃないかって推理した。

“龍馬を殺したのは新撰組だ”と見せかけ、
龍馬の仲間達の恨みをぶつけさせて、

新撰組を徹底的に潰そうとしたってね。」



「新撰組を潰す為に坂本龍馬を利用したってことだな。

伊東ってのはすげー奴だな。

・・・ってあれ?
そんな凄い奴なのに、俺教科書で見たことないぞ。」


「伊東がその後どうなったかは、
興味があればまた今度ゆっくり話すよ。

1つ言えるのは、
伊東甲子太郎は新撰組を・・
いや、土方歳三を甘く見過ぎていたんだ。」



「なんだよ気になる言い方だな。
てか土方歳三って誰だよ?」