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「ちょ・・ちょっと待て。
さっきの漫画にはそんな奴ら出てこなかったぞ。」
「先入観を与えないために、
わざと描かなかったんだよ。」
田中が少しドヤ顔をする。
「じゃあ、まずは見廻組説を話すね。
これが世間一般的にも最有力とされている説なんだ。」
「“みまわりぐみ”ってなんか、
変な名前の集団だな。」
「見廻組は、京都を守っていた幕府直属の警察組織・・・。
僕達の学校で例えるなら、風紀委員みたいなものだよ。」
「げっ・・。
あの口うるさい風紀委員の美穂か。」
「あれ?
君たち付き合ってるんじゃないの?」
「バカ!
あいつとは家が近くて昔から知ってるってだけで・・・
べ、別に付き合ってねーよ!」
「まぁそれは置いておいて。
見廻組の中心にいたのは、
“佐々木 只三郎”という男。
その佐々木に幕府が龍馬暗殺を命じて、見廻組が実行したんだ。」
「幕府が命じたってことは・・あれか?
大政奉還ってやつが原因か?」
「そうだね。
もう龍馬はただの脱藩浪士ではなく、
本気で江戸幕府を倒す力をもった超重要危険人物だったんだ。
だから佐幕派からしたら、
頭脳派テロリストに見えたんだろうね。」