山田がそこまで言うと、
田中がカバンからゴソゴソと何枚も重なった分厚い紙を取り出す。
「関川君、これ読んでよ。
俺が描いたんだ。」
「・・・え!?
メチャクチャうめーじゃん!
お前絵上手なんだな!」
「俺、将来漫画家になるのが夢なんだ。」
田中が取りだしたのは、
鉛筆で書かれた漫画だった。
だけど、落書きのようなクオリティではなく、普通に漫画として読めるうまさだった。
「龍馬が脱藩した後の軌跡を簡単に漫画にしたんだ。
これなら君のような歴史オンチにも伝わると思う。」
「漫画なら眠くならないぜ!
なにしろ俺はいまだに毎月コロコロコミック買ってるんだからな!」