それを懐にしまうと、 1階を見て回っていた佐々木さん達に断りを入れることもなく、 ひっそりと近江屋を出た。 「楓・・。どこにいる?」 楓なら、何か知っているかもしれない。 今もどこかに隠れて、 俺を待っているかもしれない。 昨夜、楓が龍馬と慎太郎を近江屋へ連れていった後、 いつまでそこに留まっていたかが肝だが、 下手人を見た可能性は十二分にある。