「話を進めるね。
校長先生はペリー先生の訪問にめちゃくちゃテンパるんだ。
普段は怖い顔して、
“海外の学校とは交流しない!”
って言ってるのに、
いざアメリカから来客があったら急に汗だくになって、右往左往しながら慌てふためいた。」
「確かに、うちの校長はヤクザみたいな顔してるからなぁ。」
「他の先生達も、
校長先生と同じ様にテンパる。
そして、先生達がそんな弱腰な態度を見せるから僕たち生徒は、
“先生達はアテにならない。
だったら自分達の手でペリー先生をはじめ、うちの学校を訪れる外国人を追い払おう”
って気持ちになるんだ。
更に、こんな先生達に任せたらこの学校はいつか廃校になる、
だったら校長先生なんかより教育委員長をもっとリスペクトしようっていう気持ちになるんだ。」
「ちょっと待て!
確かにこの学校の先生は嫌いな奴が多いけど、保健室の真奈美先生はいい人だぞ!
それに教育委員会の委員長なんて顔すら知らないし、そんな奴リスペクトするのか?」
「これが、“尊皇攘夷”思想だよ。
つまり、江戸幕府はもう必要ないという考え方さ。」
「そんのうじょうい・・?」
「うちの学校の先生=江戸幕府
教育委員長をリスペクト=尊皇
ペリー先生を追い払う=攘夷
って当てはめて考えてみて。」