「佐々木様!駄目です!
1階にも坂本、中岡はいません!」


1階を捜索していた世良と高橋も階段を上ってきた。



「馬鹿な!何故いない!?
佐々木さん、戌の情報に誤りが!?」


今井はまだ、
刀を持つその右手に力を込めていた。



「出立前に聞いた戌の話では・・・・

夕刻前の段階でまだ確実に、
坂本と中岡は寺田屋にいたはずだ。」


佐々木さんは静かに刀を鞘に収めた。



「一歩、遅かったのかもしれんな。」



「付近の旅籠を見て回りましょう!
まだこの近くにいるかもしれない!」


「・・・今井。
これは密命だという事を忘れたか?
目立つ行動は避けよ。」



「・・・ちくしょう!!」