「夕刻前にはそれに気付いたようで、
伊東は大層怒った表情で、
斉藤殿と共に薩摩藩邸へ向かいました。」
「アハハ、その顔見たかったですね!」
「坂本をやり損ねたんだったら、薩摩の信頼を買いたい伊東にはもう後がない。
次はいよいよ近藤さんと俺を狙ってくるかもしれないな。」
いつものように明るい沖田さんとは対照的に、
土方先生はその先の伊東の動きを読み取られていた。
「土方さん、
そろそろあいつ斬っちゃいましょうよ。
平助は何とか助けたいですけど、
御陵衛士も一人残らずね。」
「総司、お前は余計なことを考えず、
自分の体のことだけ心配してろ。」