「副長。烝でございます。」


この様な時にはどうするか、
昔から土方先生と合図を決めていた。


山崎さんの名を借り、
あえて下の名である、“烝です”と声を掛ける。


もし私の事を知らない隊士と面会されていたのなら、“後にしろ”と仰られるが・・・




「入れ。」


部屋の中から聞こえてくる土方先生の言葉に安堵し、襖を開ける。