“この国を、変えてみせるぜよ!!!”
桂浜の海を前に、
龍馬が言ったあの言葉を胸に秘め、
俺達は土佐を出た。
龍馬なら必ず成し遂げる。
そう確信していた俺は江戸で龍馬と別れ、
あえて幕府側の人間に成りすますことを決めた。
江戸幕府 海軍奉行、
勝海舟先生の一世一代を賭けた取り計らい、
名を変え、姿を変え、
勝先生が作り上げた、
“幕臣 風見一徹”という人物に俺は成った。
龍馬を、土佐の仲間達を守る為、
幕臣のみならず、新撰組にも目を配り、
見廻組結成にも進んで参加した。
龍馬も慎太郎も絶対に失いたくない。
ひとまず明日をしのげば、
あの2人もまた土佐に帰るはずだ。
頼んだぞ・・・楓。
見廻組屯所の門をくぐる時には、
俺の心構えはまた“風見 一徹”となった。