「一刻も早く、お二人の元へ急ぎます。
されど望月様・・一体どこへ逃がせば・・。
寺田屋以外、あらゆる旅籠には新撰組や奉行所の目がございます。」
「良き隠れ家がある。
“近江屋”という名の旅籠だ。
あそこは幕府や見廻組は勿論のこと、
薩長の人間も知らない場所だ。
あそこに身を寄せれば、安全であろう。」
「“近江屋”・・・御意。」
「頼んだぞ楓。
できれば直接龍馬達に伝えたいが、
拙者は見廻組の人間。
今この段階で、
寺田屋に近づくことはできぬ。
となれば、龍馬と慎太郎に通じることができるのはお前だけだ。」