「わてにお任せ下さい。
お蝶さんが相手してるのは、
なんや金の羽振りは良いけど、
得体の知れん男ですさかい。
この前も酔った勢いなのか、急にお蝶さんの両肩掴んで乱暴に揺さぶって・・。
わてらもそんな奴の相手をしてもらうより、
風見はんのお相手してもらったほうが安心どす。」
「かたじけない。
それから、お蝶とは久しぶりに2人でゆっくりと話をしたい。
酒や料理はいらぬから、部屋には誰も近づかないようにしてほしい。」
「え・・・・風見はん・・・。」
「・・・・安心しろ。
お蝶は“遊女”ではなく、“芸妓”だ。
不埒なことは一切しない。」
「アハハハ堪忍堪忍。
それでしたら、普段はお役人様をお通しする離れ広間がちょうど空いてますさかい、
そこでごゆるりとお過ごし下さいませ。」