私は、市内の家からバスで20分ほどの公立の高校に通っている。

私は勉強が嫌だとかよりも、『学校生活』を送ることが嫌で、高校には行かないとごねた。

父も母も、四つ上の姉も、それを泣いて止めた。

最低でも高校は出ないと将来苦労する、だとか、いい職業につけないよ、だとか、次々と私の為になることを言ってのけた。

でもその裏には、公務員の両親と、看護師の姉が、自分の世間体を気にして言っていることが明白に見えた。

反発するのも嫌になった私は、私の成績でも余裕で合格するレベルの、家から一番近い高校を受験した。

密かに落ちることを願っていたが、勉強を全くしていないでも受かってしまった。

その日から約一年と半年。

私は案の定友人もいないままに、漠然と高二の夏を過ごしていた。