こんな普通の日常を過ごすなか山奥の小さな祠に異変が起

きていた。

「……おのれ……義徳め………許さんぞ…………」

ここは数百年も昔に静藤義徳がかつて妖狐の雅を封印した

地であった。誰も近づかない場所である。近づく者は時々

人魂を見た、祠から怨み言が聞こえたりしたりするらし

い。それも後の話である。

ある日の夕方__慧が学校から家に帰ってくると近所の人

たちが家の前に集まっていた。