今は昔、数多の妖をまとめあげ人間たちを脅かしていたと

いう言い伝えがあった。

妖の中でも最も美しく恐ろしい妖が二匹いた。一人は妖狐

の雅といった。雅は九つの尻尾をもち、美しい出で立ちを

しながらも冷酷、無慈悲で他の妖たちは恐れ近づくことす

らしない。もう一人は鬼人の朔。朔は人間の母と鬼の父と

の間にできた子であった。朔は初め人間として小さな村で

生活を送っていた。しかし他の人間たちはそれを許さず朔

を恐れ、虐げ、朔の心に闇が宿り朔は鬼へと変わり人間た

ちを襲い喰らっていた…

そんな時一人の陰陽師が雅と朔を別々の地に封印した。

その陰陽師の名は静藤義徳といった。