「しょーがねぇか、翼には逆らえねぇし」と言う仲間を引っ張っていく、彼。
「明日は休みなんだし、今日はがんばろうぜ!」
明るくて、いつもみんなの中心にいて
太陽のように笑うムードメーカー。
佐々木翼くん。
私と同じクラスで、我がサッカー部の副キャプテン。
「つばさっ、タイム測って」
「あっ…うんっ」
翼くんからホイッスルとストップウォッチを受け取った私は、仲間の元へと走って行く彼の背中を見つめた。
背が高くて、背中は大きくて広くて。
栗色をした髪、二重でとても澄んだ綺麗な瞳、整った鼻筋に薄い唇……。
同じ名前なのにキラキラと輝いていて全く私とは正反対の彼に、ひそかに初めての恋をしている。