「コレ付けて、放課後のお勉強デート頑張ってねっ!」
「え、何?こんなの付けて勉強するの?」
こんな大人っぽいルージュ…無理無理っ!
「何言ってんの!?佐々木もこれでイチコロなハズよ!キスされちゃうかもー!」
「は、はいー?な、な、何を….」
平然な顔で『キス』とか口に出来てしまう我が親友に、私は少し大人を感じてしまった。
私はこんな言葉だけで、体が熱くなって顔も茹でタコになるっていうのに…!
翼くんと…なんて、想像するだけでおこがましい……。
───ううん、嘘。
本当は翼くんの特別になりたいって思った日から、実は考えてしまったり…する。
でも恋愛経験ゼロな私には、キスの事を考えるだけでもうキャパオーバー。
…だけどね、ちょっとだけね。
私の初めてのキスの相手は翼くんならいいな、って思ったりするんだ。
翼くんは、もうファーストキスは済ませてしまってるかもしれないけど。
でも、彼女いないから…翼くんにとってのファーストキス…望みはあるのかな?